“おなかのかぜ”と呼ばれることもあります
が、ノロウイルス、ロタウイルス、
アデノウイルス、アストロウイルス等が
胃腸に感染し胃腸の機能を悪化させ、
嘔吐、下痢、腹痛を起します。
1)症状
①胃腸炎の症状はどのウイルスの場合でも
基本的に同じです。先ず、嘔吐、腹痛が
始まり1~2日位続きます。その後下痢が
4~7日続き次第に回復します。症状の
重さはウイルスによって違い,感染時の
子供の年齢、健康状態が影響する
ようです。
2)感染経路
➀ 人から人へ感染します!
感染者の便及び吐物から感染します。
これらを始末した保護者の手から感染
が広がる事が多いので十分な手洗いが
必要です。
② 汚染された水、食物から感染します。
特に貝類からの感染が多いです。
3)治療法 脱水症参照
①これらのウイルスに効く抗ウイルス薬は
ありません。ウイルスが免疫力により
駆除されお子さんが回復するまでの
数日間、脱水症と低血糖症にならない
ように注意しましょう。
4)吐き始めた時の対処法
➀まず胃腸を休ませ、少し寝かせてあげ
ましょう。
「吐いたら直ぐ飲ます→吐く」を繰り
返すと、脱水が悪化するので、まず焦
らず少し休ませてください。
②吐き気が治まったら(1時間位してから)
スプーン1杯位の水分(経口補水液)を
10~15分位間隔で与えてみましょう。
③少量の水分も受け付けない場合は
吐き気止めの 座薬を試してみましょう。
④それでも吐くようなら、一度は受診し
てて下さい。
水分をとっても吐かなくなれば、お粥、
うどん、パン粥を少量から与えて
みましょう。
⑤炭水化物が大丈夫になれば、 日は肉、
魚、野菜を少しずつ与えてみましょう。
⑥完全に回復するには4~7日はかかりま
すから、あとはゆっくり 食事を元に
戻していって下さい。
5)受診の目安
「おなかのかぜ」かなと思ったら一応
受診してください。
➀迅速検査法でノロウイルス、ロタウイ
ルス等が分かるので原因ウイルスが
判明するかもしれません。
原因ウイルスがわかればこれからの
経過が予想できます。
②脱水や低血糖の程度をチェックする事
ができます。
脱水が中程度以上(=顔色が悪くなり、
尿量が減り活気がなくなる)ならば
点滴が必要です。点滴には2~3時間
必要な場合があるので、早めに受診
して下さい。
③胃腸炎には細菌性胃腸炎(食中毒)も
あり 症状も重いことが多いのでしっ
かりと血液検査や便培養検査をしなけ
ればなりません。治療法も違います。
キャンピロバクター、サルモネラ、
病原性大腸菌等が代表的な食中毒を
起 こす細菌ですが夏場には増えて来る
ので注意して下さい。