6歳未満の小児の約2∼5%に発生し多くは生後
6~36ヵ月で発生する。
単純性熱性痙攣
15分以内で治まり、局所的な
脳機能障害が認められない。
複雑性熱性痙攣
①痙攣が15分以上持続する場合、
②巣症状(特定の部位の脳機能が障害される
ことで起きる症状の一つ)がある場合
③24時間以内に再発する場合
(1) 症状
しばしば熱性痙攣は最初の体温上昇の
際に発生する。痙攣は全身性で大半は
間代性(=体をガクガクする)だが、
一定時間持続する脱力性または強直性
痙攣(=手足を突っ張る)として現れる事
がある。
発作後に意識が回復するまでの時間は
大体数分だが長時間になる事もある。
このような場合或いは巣症状がある
場合は脳神経の精査が必要である。
熱性痙攣重積状態は持続的或いは間欠的な
痙攣発作が20分以上続く場合で迅速に
神経系の精査を必要とする。
(2) 予後
熱性痙攣の再発率は約35%である。
最初に痙攣を起こしたのが1歳未満の場合、
或いは第1度近親者に熱性痙攣の既往者が
いる場合は再発リスクが高くなる。
単純性熱性痙攣それ自体が神経学的疾患の
原因になる事はないと考えられている。
しかし神経学的異常がある場合その最初の
臨床症状が熱性痙攣であることがある。
(3) 治療
1)抗痙攣剤の投与
輸液ルートを確保し、セルシン
(0.3~0.5mg/kg)を静注。
或いは
ダイアップ坐剤:0.4~0.5mg/kgの使用
(ふらつく場合0.3mg/kg)。
2)ダイアップの予防投与
38度以上の発熱があればをダイアップを
予防投与する(1回目)
8時間後になっても発熱が続く場合は2回目
を使用する。
36時間経過してまだ発熱がつづいていれば
3度目も使用可(ダイアップの半減期は32時間)
発熱が続く間は解熱剤を投与して痙攣が
起きるのを予防する。