HPVワクチン(子宮頸癌ワクチン)接種勧奨再開までの歴史
 
子宮頸がんワクチンは2013年4月に定期接種化されましたが、接種部位以外の体の広い範囲で持続する疼痛等が報告され又、これに関する報道等の影響もあり、同年6月に厚労省はワクチンの積極的勧奨を取り消しました。
これらの症状についてはその後国内外で色々検討され、「ワクチン成分がそのような症状を起こすという因果関係は無い」という最終的な結論に達し、2022年4月に、積極的勧奨が再開されました。
 
日本におけるワクチン接種率の向上
 
積極的勧奨の再開及びキャッチアップ接種の効果で国内の接種率は急速に回復して来ました。
例えば2007年度生まれで53.0%、2006年度生まれで51.8%、2005年度うまれで53.9%となっています(厚労省)。
キャッチアップ対象の年齢層では88%まで到達しています。
 
世界の接種状況
 
EU平均の接種率は64%、オーストラリアは80%台、アメリカは78.2%等、先進国は高いのですが、世界平均は31%程度です(WHO)。
 
各国のワクチンの子宮癌発生防止効果
 
スウェーデンでは大規模追跡研究では浸潤子宮癌リスクが大幅に低下、特に17歳未満で接種した群で効果が大きい事が示されています。
イングランドのデータでは、12-13歳で接種されたグループでは子宮頸癌が87%減少前癌状態(C1N3)も大幅に減少した。
スコットランドでは12-13歳で接種されたグループでは子宮癌が検出されていないとの事です。
各国の報告では早く(性交渉前に)接種するほど高い効果が得られるという点で一致しています。
つまり、HPVワクチンは①HPV感染を減少させ→②前がん病変を減少させ→③子宮癌を減少という 効果を示しているのです。
尚、国立がんセンターは現在日本で使用している9価ワクチン(シルガード)は子宮頸癌を起こしうるHPVの感染を80-90%予防すると報告しています。

尚、ワクチンはHPV感染を広くカバーしていますが、効果は100%ではないので、接種後も子宮癌検診は必要です。